第35章 接地抵抗測定
アースがちゃんと効くかを測る検査。補助接地極を使う電位降下法と規定値が要点です。
1. 接地抵抗測定の意味
接地工事(第28章)が正しく機能するには、接地抵抗が規定値以下である必要があります。
接地抵抗が大きいと、漏電してもうまく電気を大地に逃がせず感電の危険が残る。そこで接地抵抗計(アーステスタ)で実際の値を測定して確認します。
2. 電位降下法(測定のやり方)
接地抵抗計と2本の補助接地極を使います。
・E:測定したい接地極(被測定)
・P:電圧用の補助接地極
・C:電流用の補助接地極
E・P・C を『一直線・等間隔(約10m)』に配置して測定します(電位降下法)。配置のしかたが問われます。
3. 接地抵抗の規定値(再確認)
第28章の数値がそのまま検査基準になります。
・D種接地(300V以下)→ 100Ω以下
・C種接地(300V超)→ 10Ω以下
・0.5秒以内に動作する漏電遮断器を施設→ C種D種とも 500Ω以下に緩和
接地線の最小太さは軟銅線で直径1.6mm以上。測定値がこれら以下なら合格です。
4. ここでつまずく:規定値と緩和条件
接地抵抗の出題は、『規定値』と『緩和条件』の組合せで決まります。混乱しないコツは、“通常値”と“漏電遮断器ありの緩和値”をペアで覚えることです。
・D種(300V以下):通常 100Ω以下/緩和 500Ω以下
・C種(300V超):通常 10Ω以下/緩和 500Ω以下
緩和の条件は決まっていて、『地絡時に0.5秒以内に動作する漏電遮断器を施設』したときだけ。それ以外は通常値を使います。
また、接地線(軟銅線)は直径1.6mm以上。細すぎると漏電電流に耐えられないので最低太さが決まっています。試験では『D種100/C種10/緩和500/接地線1.6mm』の4つの数字をセットで問われます。
覚え方は『D=100の100倍楽、C=10で厳しい、緩和は両方500、線は1.6』とリズムで。数字の取り違えが最大の失点ポイントです。
5. 鑑別ピックアップ:測定器を見分ける①(メガーと検相器)
接地抵抗測定の鑑別問題は、4種類の測定器から接地抵抗計(アーステスタ)を選びます。ここではイ・ロを解説。
・イ=絶縁抵抗計(メガー):大型アナログメータ+『MΩ』の表示+2本の測定リード。絶縁抵抗を測定する機器。接地抵抗とは別物
・ロ=検相器:丸い回転円盤に『R-S-T』の文字+3本リード。三相交流の相順(相回転)を調べる機器で、接地抵抗とは無関係
『MΩ=メガー(絶縁抵抗)/R-S-T=検相器(相順)』。次のハ・ニで本命の接地抵抗計が登場します。
6. 鑑別ピックアップ:測定器を見分ける②(テスタと接地抵抗計)
イ・ロに続く、ハ・ニの選択肢。補助接地棒+3色端子が決め手です。
・ハ=回路計(テスタ):2本のリード+複雑な切替レンジダイヤル。電圧・抵抗・導通を測る万能選手。接地抵抗専用ではない
・ニ=接地抵抗計(アーステスタ):大型本体+赤・黄・緑の3端子+T字型の補助接地棒が同梱。電位降下法でE-P-Cを一直線配置して測定=この問題の正解
『赤・黄・緑の3端子+T字補助棒=接地抵抗計』。他の測定器とは見た目が大きく違うので、付属品の補助接地棒で一発判別できます。
7. 現場のひとこと
接地抵抗測定は、第28章で学んだ『命を守る接地』が、本当に効くかを数字で確かめる作業です。
アーステスタ(接地抵抗計)で、被測定極Eと補助極P・Cを一直線・等間隔(約10m)に挿して測る(電位降下法)。配置を雑にすると正しい値が出ません。
判定は第28章の数値そのまま:
・D種 → 100Ω以下/C種 → 10Ω以下
・0.5秒以内動作の漏電遮断器あり → 500Ωに緩和
規定値を超えていたら、いざ漏電したとき電気が大地へ逃げきれず感電する——つまり“接地が効いていない”。だから竣工・定期点検で必ず実測します。測定器の使い方も鑑別で問われるのは、現場で必ず手に取るからです。
POINT
8. ここだけは覚える
・接地抵抗計+補助接地極P・Cで測定
・E・P・Cを一直線・等間隔(約10m)=電位降下法
・D種100Ω以下/C種10Ω以下
・漏電遮断器0.5秒以内なら500Ωに緩和
次は確認問題です。