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教科書

第19章 電線・ケーブルの種類

電気を運ぶ電線とケーブル。記号と許容温度、そして『どこに使えるか』が頻出。試験の定番です。

1. 絶縁電線とケーブルの違い

絶縁電線:導体を絶縁体で1層包んだもの(IV など)。そのままむき出しでは使えず、電線管やがいし引きが必要。
ケーブル:絶縁電線をさらにシース(外装)で包んだもの(VVF など)。そのまま施工できる。

現場で最もよく使うのが VVF ケーブル(平形)。住宅の屋内配線はほぼこれです。

主な電線・ケーブルと許容温度
主な電線・ケーブルと許容温度

2. 代表的な記号を覚える

・IV:600Vビニル絶縁電線(屋内・許容温度60℃)
・VVF:平形ビニルケーブル(最頻出・60℃)
・VVR:丸形ビニルケーブル(60℃)
EM-EEF:エコ電線・鉛フリー(75℃)。写真のように『EM600V EEF/F』と刻印されているのが目印。EM=Eco Material(環境配慮材)の頭文字
・CV:架橋ポリエチレンケーブル(90℃)
・OW:屋外用ビニル絶縁電線(架空配線用)
・DV:引込用ビニル絶縁電線(架空引込線専用)

『平たい=VVF、丸い=VVR』。OWは屋外専用で屋内には使えない、DVは引込専用、が頻出ポイント。

鑑別問題でEM-EEFが出たら表面の刻印『EM600V EEF』を確認=エコ電線と即答できます。

EM-EEFケーブル(令和6年度下期 問16)― 表面に『タイシガイセン EM600V EEF/F 1.6mm』の刻印
EM-EEFケーブル(令和6年度下期 問16)― 表面に『タイシガイセン EM600V EEF/F 1.6mm』の刻印

3. 許容温度の順番(頻出)

電線が耐えられる温度には順番があります。

IV・VVF(60℃)< EM-EEF(75℃)< CV(90℃)< MI(250℃)

数字が大きいほど熱に強い。『普通のビニルは60℃、エコ電線75℃、架橋ポリは90℃』とリズムで覚えると並べ替え問題で迷いません。

4. 電線の太さ ― 単線とより線

電線の太さの表し方は、単線とより線で違います。ここを混同すると問題文が読めなくなります。

単線:1本の太い銅線。太さは『直径〔mm〕』で表す。
 住宅でよく使うのは 1.6mm と 2.0mm。太いほど電気をたくさん流せる。
より線:細い線を何本もより合わせたもの。太さは『断面積〔mm²〕』で表す。
 曲げやすいので機器の接続などに使う。2/3.5/5.5〔mm²〕…と決まった値(公称断面積)がある。

屋内配線の主役 VVF は単線で、1.6mm か 2.0mm、芯数は 2芯・3芯が定番です。これは技能試験でもそのまま使うので、『VVFは1.6か2.0、2芯か3芯』は今のうちに体に入れておきましょう。

5. HIVとコード ― 熱でつまずかない

記号にもう2つ、試験で必ず顔を出すものがあります。

HIV:二種ビニル絶縁電線。許容温度75℃で、ふつうのIV(60℃)より熱に強い。
 『H=Heat(熱)に強いIV』と覚えると忘れません。
・コード:電気器具につながる細い電線(電源コード)。

ここで頻出のひっかけ。ビニルコードは熱に弱いので、電気こたつやトースターのような発熱する器具には使えません。
熱を持つ器具にはゴムコードなど耐熱性のものを使う——『ビニル=熱に弱い』さえ分かっていれば、文章を丸暗記しなくても選べます。

6. ケーブルの中身と色 ― 鑑別と複線図の土台

ケーブルを切ると、中身はいつも同じ構造です。実物写真を見て答える『鑑別問題』の土台になります。

導体:電気が実際に通る銅線。これが『太さ』の正体。
・絶縁体:導体を1本ずつ包む、色のついたビニル。
・介在物:すき間を埋めて形をたもつ詰めもの。
シース:全体をまとめて包む外装。これが付いているのがケーブル。

そして配線でつまずかないための色のルール。
接地側(中性線)の電線は『白』と決まっています。
VVF2芯なら黒と白、3芯なら黒・白・赤。

この色は複線図(第40章以降)でそのまま使うので、『白=接地側』だけは今ここで覚えてしまうと、あとの章がぐっと楽になります。

7. 鑑別ピックアップ:VVFの心線数を見分ける

配線図問題でよく出る『この区間に必要なケーブルは?』の鑑別。心線の色と本数で見分けます。

イ=VVF 2芯(黒・白):100V回路の往復2本。一番基本
ロ=VVF 3芯(黒・白・赤)単相3線式200V用、または3路スイッチの渡り線。白=中性線/接地側、黒=L1、赤=L2 or スイッチ線
・ハ=VVF 3芯(黒・白・赤):ロと同じ構成(別撮影)
・ニ=VVF 3芯(黒・白・赤):ロと同じ構成(別撮影)

『心線数=必要な回路の電線本数』。電灯1個+スイッチ1個なら2芯、スイッチ2個(3路)なら3芯、という風に複線図を描いて本数を数えれば確実に選べます。

VVFケーブル4種(令和7年度下期 問45)― 配線に必要な心線数の最少は?
VVFケーブル4種(令和7年度下期 問45)― 配線に必要な心線数の最少は?

8. 鑑別ピックアップ:ケーブル種類を見分ける①

心線の被覆を剥いた断面写真でケーブル種類を見分ける問題。介在物の有無・心線数が決め手です。

イ=VVR(丸形):黒・白の2心の隙間に白い介在物(紙テープなど)が見えるのが特徴。全体の外観は丸い
ロ=VVF 2芯(平形):黒・白2心がぴったり並ぶ。介在物なし=VVFの見分けポイント

『丸い+介在物アリ=VVR/平たい+介在物ナシ=VVF』。ハ・ニは次のセクション参照。

ケーブル4種のイ・ロ(令和6年度下期 問46)
ケーブル4種のイ・ロ(令和6年度下期 問46)

9. 鑑別ピックアップ:ケーブル種類を見分ける②

前セクションの続き。ハ・ニの選択肢。

ハ=VVF 3芯(黒・白・赤):平形の灰色シース、3心の単線。単相3線式・3路スイッチ・三相動力に使う
ニ=CVT(トリプレックス)またはCVT3心黒いシース(架橋ポリエチレン絶縁+ビニルシース)で3心がそれぞれ独立した絶縁体に包まれている。許容温度90℃で電力幹線によく使う

『灰色シース=ビニル系(VVF/VVR)/黒シース=CV/CVT(架橋ポリ)』。色で大別できます。

ケーブル4種のハ・ニ(令和6年度下期 問46)
ケーブル4種のハ・ニ(令和6年度下期 問46)

10. 現場のひとこと

電線・ケーブルの記号は、現場で毎日口にする“言葉”です。

屋内配線の主役は VVF(通称Fケーブル、平形)。「2.0の3芯」のように、太さ×芯数で会話します。丸いところに通すなら VVR、機器の接続にはより線の CV——用途で選び分けるのが基本動作。

屋外用 OW を屋内に使う、引込専用 DV を別用途に使う、といった“用途違い”は施工不良。試験で問われる『OWは屋外専用/DVは引込専用』は、そのまま現場のNG集です。

許容温度(60→75→90→250℃)も、発熱する場所にどのケーブルを選ぶかの判断に直結します。記号の暗記は“材料選定の語彙”だと思うと一気に身につきます。

POINT

11. ここだけは覚える

・絶縁電線(IV)はむき出し不可/ケーブル(VVF)はそのまま施工可
・最頻出は VVF(平形)。丸形は VVR
・OW=屋外用(屋内不可)、DV=引込専用
・許容温度:IV/VVF 60<EM-EEF 75<CV 90<MI 250

次は確認問題です。

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確認問題で定着させると、グッと身につきます。

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