第40章 単線図と複線図
配線図は1本で省略表示(単線図)。実際の電線本数で描き直す複線図への変換を学びます。
1. なぜ複線図に直すのか
配線図は見やすさのため、複数の電線を1本の線で省略して描いています(単線図)。
しかし実際の工事や、電線本数・接続を問う問題では、本当の本数で描いた『複線図』が必要です。
単線図 → 複線図への変換ができることが、最少電線本数(第42章)やスリーブ選定(第43章)を解く土台になります。
2. 電線の色の意味
複線図では電線の役割を色で区別します。
・白:接地側電線(電源→負荷へ)
・黒:電圧側(非接地側)電線(電源→スイッチへ)
・赤など:スイッチ→負荷や3路間など
第1部で学んだ『白=接地側』がここでも一貫します。色の役割を押さえると複線図が描けるようになります。
3. 傍記を読む
単線図の線のそばには傍記があります。
例:『IV1.6(19)×3』
→ IV線・直径1.6mm・電線管E19・3本
電線の種類(IV/VVF/VVR/CV)、太さ、本数、電線管の種類を読み取れると、複線図と本数問題の両方に対応できます。
4. ここでつまずく:単線図→複線図の変換手順
単線図を複線図に直す手順は、いつも同じ3ステップ。迷ったらこの順で描けば必ず描けます。
①電源の接地側(白)を、すべての負荷(照明等)に直接つなぐ
②電源の電圧側(黒)を、対応するスイッチにつなぐ
③スイッチから負荷まで、残りの電線を引く(必要なら赤を使う)
この『白→黒→残り』の順序を守ると、どんな配線図でも複線図に変換できます。順序を間違えると線がぐちゃぐちゃになり、本数も合わなくなる——だから順序が命です。
ひっかけ注意:コンセントは常時通電なので、白も黒も直接つなぐ(スイッチを経由しない)。照明と区別するのが最初のつまずきポイントです。
5. 現場のひとこと
単線図は“省略して描いた設計図”、複線図は“実際に何本つなぐかを描いた施工図”。現場の配線も、頭の中で単線図→複線図に翻訳しながら進めます。
ここで効くのが第1部からの一貫ルール『白=接地側、黒=電圧側』。色の役割がブレないからこそ、誰が見ても同じ配線になる=安全。
傍記(例:IV1.6(19)×3 = IV線・1.6mm・E19管・3本)が読めると、必要な電線・管・本数がひと目で分かり、最少電線本数問題(第42章)にもそのまま直結します。
『単線図を複線図に直せる人=配線図問題を取れる人』。ここは次章以降すべての土台です。
POINT
6. ここだけは覚える
・配線図は単線図(1本で省略表示)
・本数・接続を読むには複線図に変換
・白=接地側、黒=電圧側
・変換手順:①白→負荷直結 ②黒→スイッチ ③残り
・コンセントは常時通電(白も黒も直結)
・傍記から電線種類・太さ・本数・管を読む
次は確認問題です。