第二種電気工事士 ← 章一覧
教科書

第5章 電力と電力量

電力は『電気の働きの強さ』、電力量は『使った電気の総量』。電気料金の正体もここで分かります。

1. 電力ってなに?

電力とは『1秒あたりにする電気の仕事の強さ』のこと。単位はワット(W)です。

蛇口で例えると、電圧×電流の組み合わせで『どれだけ勢いよく仕事できるか』が決まります。

基本式: P = V × I (電力=電圧×電流)

オームの法則 V = I×R を代入すると、形を変えた2つの式も出てきます。
P = I² × R
P = V² ÷ R

3つとも『同じことを別の形で書いただけ』。問題で与えられた値に合わせて使い分けます。

電力 P を求める3つの公式
電力 P を求める3つの公式

2. 電力量ってなに?

電力量とは『電力 × 使った時間』、つまり電気を使った“総量”です。

電力量 W = 電力 P × 時間 t

単位はワット秒(Ws)ですが、実用ではワット時(Wh)・キロワット時(kWh)を使います。

例:500Wの電気ストーブを3時間使った
W = 500W × 3h = 1500Wh = 1.5kWh

電力が『勢い』なら、電力量は『勢い×時間の積み重ね』。電気料金はこのkWhで計算されます。

3. 電気料金の正体

電気料金は『使った電力量(kWh) × 1kWhあたりの単価』。

例:1kWh=30円として、さっきの1.5kWhなら
1.5 × 30 = 45円

つまり『大きい電力の機器を・長時間使う』ほど料金が上がる。当たり前のことですが、式で説明できると現場でも説得力が出ます。

4. ここでつまずく

電力の式は3兄弟あります。
P = V × I / P = I² × R / P = V² ÷ R

『どれを使えばいい?』で固まる人が多い。答えはシンプル——『問題で分かっている2つ』で選ぶだけ。

・電圧 V と電流 I が分かる → P = V×I
・電流 I と抵抗 R が分かる → P = I²×R
・電圧 V と抵抗 R が分かる → P = V²÷R

全部 V=IR から作られた同じ式なので、覚えるのは『手持ちの2つで選ぶ』の一点。

もう一つの定番ミスが単位。1kW = 1000W、3時間 = 3h。kWh で答えるのか Wh で答えるのか、問題の単位を最後にもう一度見る——これで凡ミスが消えます。

5. 現場のひとこと

電力量(kWh)は、ビルメンにとって『電気代そのもの』です。

オーナーや管理会社から必ず出るのが『電気代を下げられないか』という相談。そのとき、どの機器が・どれだけの電力で・何時間動いているかを kWh で語れると、『この古い機器を更新すれば年間いくら下がる』と数字で提案できます。

資格の計算は、この“お金の話”に直結しています。ただ解くのではなく『この式は電気代の話だ』と結びつけて読むと、現場で一気に武器になります。

POINT

6. ここだけは覚える

・電力 P = V×I = I²R = V²/R(単位W)
・電力量 W = P×t(単位Wh/kWh)
・電気料金 = 電力量(kWh) × 単価
・電力=勢い、電力量=勢い×時間の積み重ね

次は確認問題です。公式の使い分けを意識しましょう。

次の章へ →

確認問題で定着させると、グッと身につきます。

確認問題に進む(4問)→