第23章 配線器具:コンセント・遮断器
コンセントの定格と形、配線用遮断器・漏電遮断器。分岐回路(第16章)とつながる重要単元です。
1. コンセントの定格と形
コンセントには定格(15A/20A、100V/200V)があり、刃受けの形で見分けます。
・接地極付コンセント:アース端子付き。洗濯機・電子レンジなど水回り・大型家電
・抜け止め形:回して固定、抜けにくい
・引掛形:回してロック
・防水形:屋外用
定格20Aのコンセントには直径1.6mm以上の電線、のように分岐回路(第16章)とセットで問われます。
2. 配線用遮断器(MCCB)
過電流(流れすぎ)が起きたとき、自動で回路を切る器具です。
動作の目安(定格電流に対し):
・1.25倍の電流:規定時間内に動作
・2倍の電流:より短い時間で動作
電流が大きいほど早く落ちる、とイメージできればOK。配線用遮断器は電線を過熱・火災から守るのが役目です。
3. 漏電遮断器(ELB)
電気が本来の道から漏れた(漏電した)とき、瞬時に回路を切って感電・火災を防ぐ器具。
・高感度形:定格感度電流 30mA以下。人体保護用として広く使う
・動作時間が速いほど安全
金属製の外箱を持つ機器(洗濯機など)には漏電遮断器を施設するのが基本。接地工事(第28章)と組み合わせて感電を防ぎます。
4. コンセントの形と図記号 ― 鑑別の土台
コンセントは『刃受けの穴の形』と『図記号の添え字』で見分けます。電圧(125V/250V)・電流(15A/20A/30A)・相数(単相/三相)の組合せで形が決まります。
写真の見方(すべて接地極付):
・イ=単相250V 15A 接地極付
・ロ=三相250V 30A以下 接地極付(産業用)
・ハ=単相250V 20A以下 接地極付=この問題の正解
・ニ=単相125V 20A以下 接地極付
図記号の添え字も頻出:
E=接地極/ET=接地端子/WP=防水/H=医用(病院)/LK=抜け止め、数字は口数。
『穴の形=定格、添え字=用途』。形と記号をセットで見れば、写真でも記号でも迷いません。
5. 遮断器は2P2Eと2P1Eで見分ける ― 鑑別の土台
配線用遮断器は極数(P:Pole)と素子数(E:Element)で2種類あります:
・2P1E(2極1素子):100V専用。中性線(接地側)には引きはずし素子がない
・2P2E(2極2素子):100V/200V兼用。両方の電圧線に過電流引きはずし素子があるので、200V電路で必須
写真の見方:
・イ=2P2E配線用遮断器(200V用):両極に素子=中性線なしの200V電路で使える=この問題の正解
・ロ=漏電遮断器(過負荷保護付):テストボタン+『漏電遮断器』銘板
・ハ=漏電遮断器(過負荷保護付・別形状):同じく漏電付き
・ニ=2P1E配線用遮断器(100V専用):中性線側には素子なし=200Vでは使えない
『200V電路=2P2E必須/100Vのみ=2P1Eも可』。テストボタン有無で配線用/漏電を、素子数で100V/200Vを区別します。
6. 鑑別ピックアップ:コンセントの形バリエーション
別の年度のコンセント鑑別。2口/1口、接地極付の有無で見分けます。
・イ=15A 2口(普通の100V用):縦穴2本×2口
・ロ=20A 1口:片方がT字。1口タイプ
・ハ=接地極付15A:縦穴2本+丸い接地穴
・ニ=接地極付20A:T字穴+丸い接地穴
『丸い穴=接地極/T字穴=20A/横穴=200V』。穴の形を見れば即座に定格と種類が分かります。
7. 鑑別ピックアップ:傍記から読むコンセント
配線図の傍記(『LK』『E』『EET』『250V 30A 3P E』等)から対応するコンセントを読み取る問題。形状+傍記の暗記が決め手です。
・イ=125V 15A 接地極付2口コンセント(傍記:2 E):2口+接地端子付。手洗場など湿潤場所用
・ロ=抜け止め形コンセント(傍記:LK):プラグを差して回すとロックされ、抜け落ち防止。店舗のカウンタ常時通電機器用
・ハ=125V 15A 接地極付・接地端子付コンセント(傍記:EET):接地極+別の接地端子(E端子)も付いた高安全タイプ。トイレなど水気のある場所用
・ニ=三相250V 30A 接地極付コンセント(傍記:250V 30A 3P E):三相動力用・大容量。エアコン室外機・業務用機器など。この配線図には存在しない=この問題の正解
『傍記が読めればコンセントが選べる』。傍記の暗号を一つひとつ覚えるのが配線図対策の核心です。
8. 鑑別ピックアップ:力率改善・モーター制御機器
配電盤や動力盤に並ぶ機器の鑑別。形+銘板の文字で用途を見分けます。
・イ=進相コンデンサ:白い角ばった箱+上部に3つの大型端子+『40』(μF)表示。三相モーターの力率改善(第18章)に使う=この問題の正解
・ロ=安定器:灰色の円筒形+外付けボックス+『15』(W)表示。蛍光灯・水銀灯などの放電灯の点灯安定用
・ハ=配線用遮断器(モータブレーカ/3極):黒い縦長+『10A』表示+3極端子。三相モーターの過電流保護
・ニ=電磁開閉器(マグネットスイッチ):白い大型ボックス+接点ブロック+下部に熱動継電器。モーター起動・停止の本命
『3端子+四角=進相コンデンサ/円筒+リード線=安定器/3極黒縦長=モータブレーカ/枠+接点+サーマル=電磁開閉器』。三相動力盤の主要4機器、見た目で覚えます。
9. 現場のひとこと
コンセントの形は“意味”でできています。穴の形・接地極の有無を見れば用途が読める。
・接地極付 → 洗濯機・冷蔵庫など水回り/大型家電
・抜け止め形 → 抜けたら困る常時通電機器
・引掛形 → 振動で抜けては困る設備
・WP(防雨形) → 屋外
この“形=用途”が鑑別写真でそのまま問われます。
遮断器は役割で覚える。
・配線用遮断器(MCCB) → 過電流・短絡から電線を守る
・漏電遮断器(ELB) → 漏電を検知して“人”を守る(人体保護は30mA以下)
『MCCBは電線、ELBは人』。金属外箱の機器に漏電遮断器+接地(第28章)は感電事故を防ぐ現場の基本セットです。
POINT
10. ここだけは覚える
・コンセントは定格(15/20A・100/200V)と形で区別
・接地極付=水回り・大型家電
・配線用遮断器=過電流で回路を切る(電線保護)
・漏電遮断器=漏電で回路を切る(感電保護・高感度30mA以下)
次は確認問題です。