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第10章 その他の重要事項

出題頻度は高くないけれど、出たら確実に取りたい単元の総まとめ。ブリッジ・キルヒホッフ・コンデンサ・電磁気を一気に押さえます。

1. ブリッジ回路の平衡条件

4つの抵抗をひし形に組み、中央に検流計(G)をつないだ回路がブリッジ回路です。

『平衡状態』のとき、中央のGには電流が流れません。そのときの条件が、

R1 × R4 = R2 × R3

(向かい合う抵抗どうしの積が等しい)

未知の抵抗を正確に測る『ホイートストンブリッジ』で使われます。問題では『Gに電流が流れない時の抵抗値』を平衡条件から逆算させるのが定番です。

平衡条件 R1×R4 = R2×R3
平衡条件 R1×R4 = R2×R3

2. キルヒホッフの法則

複雑な回路を解く2つのルールです。

■ 第1法則(電流則)
分岐点に入る電流の合計 = 出る電流の合計
(電流はどこかに消えたりしない)

■ 第2法則(電圧則)
ひと回りすると、電源電圧の合計 = 各抵抗の電圧降下の合計

オームの法則だけでは解けない複数電源の回路で使います。『電流は分岐点で保存、電圧は一周で帳尻が合う』とイメージでつかめば十分です。

3. 分流器と倍率器

計器の測定範囲を広げる仕組みです。

・分流器:電流計と“並列”に抵抗を入れ、測れる電流を大きくする
・倍率器:電圧計と“直列”に抵抗を入れ、測れる電圧を大きくする

覚え方:『電流を分けるから分“流”器は並列、電圧を倍にする倍率器は直列』。並列と直列を逆にしないことがポイントです。

4. コンデンサの静電容量と合成

コンデンサは電気を蓄える部品。蓄えられる量を静電容量 C(単位F:ファラド)で表します。

電荷 Q = C × V

合成のしかたは『抵抗とちょうど逆』なので注意。
・並列:C = C1 + C2 …(足し算)
・直列:1/C = 1/C1 + 1/C2 …(逆数の和)

抵抗は直列が足し算でしたが、コンデンサは並列が足し算。ここは引っかけ頻出です。

5. 静電気とクーロンの法則

電気を帯びた物体(電荷)の間には力が働きます。

・同じ符号(+と+):反発し合う
・違う符号(+と-):引き合う

この力の大きさは『電荷が大きいほど強く、距離が離れるほど弱くなる』(クーロンの法則)。下敷きで髪が逆立つ、あの静電気と同じ現象です。出題はまれですが、概念だけ知っておけば対応できます。

6. 電流の磁気作用

電流と磁気には深い関係があります。

■ 右ねじの法則
電流を流すと、そのまわりに磁界ができる。右ねじを電流の向きに進めると、回す向きが磁界の向き。電磁石はこれを利用しています。

■ フレミング左手の法則
磁界の中の電流は『力』を受ける。左手の親指=力、人差し指=磁界、中指=電流。モーターが回る原理です。

『電流→磁界(右ねじ)』『磁界+電流→力(フレミング左手)』をセットで覚えます。

右ねじの法則とフレミング左手の法則
右ねじの法則とフレミング左手の法則

7. 電磁誘導

磁界が変化すると、コイルに電圧(誘導起電力)が生まれます。これが電磁誘導です。

・磁石をコイルに出し入れすると電気が起きる
・変化が速いほど、大きな電圧が生まれる
・発生した電流は『変化を邪魔する向き』に流れる(レンツの法則)

発電機・変圧器の基本原理がこれ。『磁界の変化が電気を生む』が核心です。

8. 現場のひとこと

この章はバラバラに見えて、実は現場の機器とぜんぶつながっています。

・電磁誘導 → 変圧器・発電機が動く原理そのもの
・フレミング左手 → モーターが回る理由
・ブリッジの平衡 → 接地抵抗計など測定器の中身
・コンデンサ → 力率改善(第18章)の進相コンデンサ

『理論のための理論』ではなく、目の前の設備がなぜ動くかの種明かしだと思って読むと、暗記が“納得”に変わります。

試験では数値計算(ブリッジ平衡・コンデンサ合成)が出やすいので、原理を入れたうえで手を動かしておくのが効率的です。

POINT

9. ここだけは覚える

・ブリッジ平衡条件:R1×R4 = R2×R3(Gに電流流れない)
・キルヒホッフ:電流は分岐点で保存、電圧は一周で釣合う
・分流器=電流計に並列/倍率器=電圧計に直列
・コンデンサ合成は抵抗と逆(並列が足し算)
・右ねじ=電流が磁界を作る/フレミング左手=力
・電磁誘導=磁界の変化が電気を生む(発電・変圧器)

次は確認問題。第1部、これで完全制覇です。

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確認問題で定着させると、グッと身につきます。

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