第11章 配電方式
電気をどう配るか。単相2線式・単相3線式・三相3線式の3つの違いと、単3の『中性線断線』という頻出ポイントを押さえます。
1. 配電方式は3種類
建物に電気を配る方式は主に3つです。
・単相2線式:電線2本。100Vまたは200Vの1種類だけ。小規模向け。
・単相3線式:電線3本(外線2・中性線1)。100Vと200Vの両方が取れる。一般住宅の主流。
・三相3線式:電線3本。200Vで動力(電動機)用。
『単2=シンプル小規模、単3=住宅で2電圧、三相=動力』とセットで覚えます。
2. 単相3線式のしくみ
単相3線式は外線2本と中性線1本。
・外線 — 中性線 間:100V
・外線 — 外線 間:200V
1つの引き込みで100V(照明・コンセント)と200V(エアコン・IH)の両方が使えるのが最大の利点。だから現在の住宅はほぼ単3です。
負荷が左右でつり合っている(平衡)とき、中性線に流れる電流は0になります。
3. 中性線断線という危険(最重要)
単3で最も大事な注意点が『中性線の断線』です。
中性線が切れると、左右の負荷のバランスで電圧が偏り、軽い負荷側に高い電圧がかかって機器が壊れます。
このため——
『中性線にはヒューズや開閉器を入れてはいけない』
切れたら困る線に、切れる仕掛けを付けないということ。これは試験で繰り返し問われます。
4. ここでつまずく
単相3線式で『どうして100Vと200Vが両方とれるの?』が最初の関門です。
・外線(電圧線)と中性線の間 → 100V
・外線と外線の間(中性線をまたぐ) → 200V
中性線を“まん中の基準(0V)”だと思うと腹落ちします。片側だけ見れば100V、両側を足すように見れば200V。
そして『平衡なら中性線電流は0A』。左右が同じ負荷なら、行き来する電流が中性線でちょうど打ち消し合うからです。ここを“0になる理屈”で理解しておくと、次の中性線断線がなぜ怖いかも一発で分かります。
5. 現場のひとこと
中性線断線は、現場では本当に機器を焼く事故です。
中性線が切れた瞬間、軽い負荷側に過大な電圧がかかり、テレビやパソコンなど“軽い機器”がまとめて壊れる——実際に起きるトラブルです。
だから『中性線にヒューズ・開閉器を入れない』は暗記事項ではなく“事故を防ぐ鉄則”。増設や改修で結線をいじるときも、中性線の確実な接続を最優先で確認します。
試験で繰り返し問われるのは、それだけ現場で事故が多いから——そう思って読むと忘れません。
POINT
6. ここだけは覚える
・単2=2本・1電圧/単3=3本・100Vと200V/三相=動力200V
・単3:外線-中性線=100V、外線-外線=200V
・単3が平衡なら中性線電流=0
・中性線断線→電圧不平衡で機器破損
・中性線にヒューズ・開閉器を入れてはいけない
次は確認問題です。