第28章 接地工事
合否を分ける最重要単元。A〜D種の種類、抵抗値、緩和・省略条件の『数値』を完全に押さえます。
1. 接地工事とは
機器の金属部分を大地(アース)につないでおく工事。万一漏電しても、電気を安全に大地へ逃がし、人が触れたときの感電を防ぎます。
漏電遮断器(第23章)とセットで感電事故を防ぐ、電気工事の安全の要です。
2. 接地工事の種類と抵抗値(最重要)
4種類あります。第二種で特に重要なのはC種・D種。
・A種:高圧・特別高圧機器。10Ω以下
・B種:変圧器の混触防止。計算による
・C種:300V『超』の低圧。10Ω以下
・D種:300V『以下』の低圧。100Ω以下
境界は『300V』。
300V超ならC種(10Ω)、300V以下ならD種(100Ω)。この対応は絶対暗記です。
3. 抵抗値の緩和(頻出)
C種・D種は、条件を満たすと抵抗値が緩和されます。
『0.5秒以内に自動的に動作する漏電遮断器』を設置すれば——
C種・D種とも 500Ω以下まで許容
本来C種10Ω・D種100Ωが、漏電遮断器があれば500Ωまでゆるくなる。『0.5秒・500Ω』はセットで頻出数値です。
4. D種接地の省略条件
次のような場合はD種接地を省略できます(代表例):
・対地電圧150V以下で乾燥した場所
・絶縁性のある床など(木の床等)に機器を置く
・ゴム・合成樹脂などの絶縁物で被覆
・定格感度電流15mA以下・動作時間0.1秒以下の漏電遮断器を施設
・二重絶縁構造の機器
特に『15mA・0.1秒の漏電遮断器でD種省略』は頻出。数値を覚えておきましょう。
5. ここでつまずく
接地は合否を分ける最重要単元。つまずきは“どれがどの数値か”の取り違えです。
境界はすべて『300V』。
・300Vを超える低圧 → C種 → 10Ω以下
・300V以下の低圧 → D種 → 100Ω以下
覚え方:『Cは厳しい10、Dはふつう100』、境界は300Vの一本だけ。
緩和と省略も数値セットで:
・0.5秒以内に動作する漏電遮断器 → C種D種とも500Ωまで緩和(“0.5秒・500”)
・15mA以下・0.1秒以下の漏電遮断器 → D種省略可(“15・0.1”)
数字だけ丸暗記すると本番で必ず混ざります。『300で分ける/10・100/0.5の500/15の0.1』をリズムで固めるのが鉄板です。
6. 鑑別ピックアップ:接地線の直線重合せ接続
接地線の直線重合せ接続では、P形スリーブと赤色柄の圧着工具を組み合わせます。リングスリーブ(E形)は終端接続用なので別物です。
スリーブの種類は3つ:
・B形:直線『突合せ』接続用(電線を端と端で突き合わせ)
・P形:直線『重合せ』接続用(電線を重ねて圧着)
・E形(リングスリーブ):『終端』重合せ接続用
圧着工具の握り部の色:
・黄色:E形(リングスリーブ)専用。JISで規定
・赤色:P形・B形などE形以外用
選択肢の正体:
・イ=黄色柄 + Eスリーブ:終端接続用の組合せ
・ロ=黄色柄 + Pスリーブ:工具とスリーブが不一致
・ハ=赤色柄 + Eスリーブ:工具とスリーブが不一致
・ニ=赤色柄 + Pスリーブ:直線重合せ接続の正しい組合せ=この問題の正解
『接地線の直線重合せ=P形 + 赤色柄』。握り色とスリーブ形を必ずペアで選びます。
7. 現場のひとこと
接地(アース)は、試験の点取りではなく“人の命を守る最後の砦”です。
機器が漏電したとき、接地があれば電気が大地へ逃げ、人が触れても感電しにくい。接地が無い・不良だと、洗濯機や給湯機の金属外箱が“感電死の罠”に変わります。
だから現場では、漏電遮断器(第23章)と接地をセットで施工し、接地抵抗を実測(第35章)して規定値に入っているか確認します。「水回りの機器に接地極付コンセント」も、この思想の現れ。
この章がいちばん厳しく問われるのは、現場でいちばん人が死にうるから——そう思って数値に向き合うと、記憶の重みが変わります。
POINT
8. ここだけは覚える
・C種=300V超=10Ω以下/D種=300V以下=100Ω以下
・A種=高圧=10Ω以下
・0.5秒以内の漏電遮断器→C種D種とも500Ωに緩和
・感度15mA・0.1秒以下の漏電遮断器→D種省略可
・接地+漏電遮断器で感電を防ぐ
次は確認問題。最重要単元、確実に。