第31章 機械器具の施設・取付
機器や配線器具を取り付けるときのルール。漏電遮断器の施設と点滅器の位置が頻出です。
1. 漏電遮断器を施設する機器
金属製の外箱を持ち、使用電圧60Vを超える機械器具で、人が容易に触れるおそれがある場所のものには漏電遮断器を施設します。
金属の箱は、漏電すると箱自体が危険になる。だから漏電遮断器+接地工事(第28章)で二重に守る、という考え方です。
2. 点滅器・コンセントの取付
・点滅器(スイッチ)は必ず電圧側(非接地側)に取り付ける(第22章の再確認)。接地側に付けるとOFFでも器具に電圧が残る
・コンセントは接地極の向き・極性に注意。接地側(W表示・長い穴)に白い電線
施工は『安全側に倒す』設計になっている、と理解すると丸暗記が減ります。
3. コード・キャブタイヤケーブル
・コードは原則、固定配線には使わない(移動して使う電気器具の接続用)
・キャブタイヤケーブルは丈夫で、移動用機器や仮設に使う
『固定配線はケーブルや電線管、コードは移動用』という使い分けが基本。コードを壁内固定配線に使うのは不可。
4. 漏電遮断器を“省略できる”条件 ― ここがひっかけ
漏電遮断器は『付ける』だけでなく『省略できる』条件が、そのままひっかけになります。
原則:金属外箱・60V超・人が触れるおそれ → 施設。
でも次のときは省略できる:
・機器が二重絶縁構造
・絶縁変圧器(二次側300V以下)で電源
・乾燥した場所に施設
・対地電圧150V以下で乾燥した場所 など
なお住宅の屋内電路は対地電圧150V以下が原則。『二重絶縁・絶縁変圧器・乾燥した場所=省略OK』を押さえると、施設/省略の判断問題で迷いません。
5. 鑑別ピックアップ:ジョイントボックス類
電線接続用のボックスは複数種類あり、形状とノックアウト(穴)の有無で見分けます。
・イ=プルボックス:大型の角ばった金属ボックス。多数の電線・電線管が交差する場所に使う
・ロ=アウトレット(ジョイント)ボックス:JIS規定・側面にノックアウトがある金属製。電線接続・照明器具取付の代表格=この問題の正解
・ハ=VVF用ジョイントボックス:プラスチック製の透明ボックス。VVFケーブル専用の接続箱
・ニ=露出型スイッチボックス(金属製):壁面に露出取付。スイッチ・コンセント収納用
『ノックアウト付き金属=アウトレット/大型=プルボックス/透明プラ=VVF用/露出取付=露出型スイッチボックス』。用途と材質で見分けます。
6. 鑑別ピックアップ:電磁接触器と熱動継電器
電磁接触器(マグネットスイッチ)はモーター制御に使う器具。下部に組み合わせる『熱動継電器(サーマルリレー)』が過負荷からモーターを守ります。
写真の○で囲まれた部分=熱動継電器。
・電流が定格を超えるとバイメタルが熱で曲がり接点を切る
・赤いリセットボタンで復帰
・モーターを焼損から守る安全装置
『電磁接触器+熱動継電器=電磁開閉器』のセットでモーター回路の保護を構成します。
・漏電遮断器(ELB)=漏電を切る
・配線用遮断器(MCCB)=過電流を切る
・熱動継電器=モーターの過負荷を切る(運転電流の連続超過)
役割が違うので混同に注意。
7. 鑑別ピックアップ:リモコン回路の機器類
配線図にリモコンリレーが使われている場合、制御電源(24V)を作るトランス+実際にON/OFFするリレー本体=セットで運用されます。鑑別ではこのセットの見分けが問われます。
・イ=リモコントランス:縦型黒い箱+『100V AC / 24V AC』『ヒューズ清明2A』表記。100Vを24Vに降圧してリモコンスイッチの制御回路に電源を供給する変圧器。リモコン制御の心臓部
・ロ=タイムスイッチ:円形ダイヤル+設定指針+『OFF→/ON→』表記。設定時刻で自動ON/OFF(屋外照明・看板用)
・ハ=リモコンリレー(単切型/100V用):黒い縦長+『OFF』レバー+主回路端子1組。中性線を除く1線のみを開閉する。100V回路用
・ニ=リモコンリレー(両切型/200V用):黒い縦長+『OFF』レバー+主回路端子2組。中性線を除く2線を同時に開閉する。200V回路ではこちらが必須=この問題の正解
『100V/24V表記=リモコントランス/円形ダイヤル=タイマー/リレー本体は単切(100V)・両切(200V)で見分ける』。リモコンリレーは見た目がほぼ同じなので、下部の端子の数(主回路の極数)が決め手です。
8. 現場のひとこと
この章は『施工は安全側に倒す』という一本の思想で貫かれています。
・金属外箱の機器に漏電遮断器+接地→ 漏電しても感電させない
・点滅器は電圧側(第22章再確認)→ 切れば本当に無電圧、ランプ交換で感電しない
・コンセントの接地側(W・長い穴)に白線→ 極性をそろえて事故を防ぐ
・コードは移動用、固定配線はケーブル/電線管→ コードの固定使用は被覆が傷んで火災のもと
現場で『なぜこの向き?なぜこの線?』と聞かれたら、答えは全部“安全側に倒すため”。丸暗記ではなく、この一貫した考え方で読むと細則がスッと頭に入り、点検時の指摘力も上がります。
POINT
9. ここだけは覚える
・金属外箱・60V超・触れるおそれ→漏電遮断器を施設
・点滅器は電圧側(非接地側)に付ける
・接地側(W・長い穴)に白い電線
・コードは固定配線不可(移動用)
次は確認問題です。