第4章 導体と絶縁体
電気を通す『導体』と通さない『絶縁体』。そして電線の抵抗が太さ・長さでどう変わるか——毎年ほぼ必ず計算問題が出る最重要単元です。
1. 導体と絶縁体
電気の通しやすさで物質は2つに分かれます。
・導体:電気をよく通す。銀・銅・アルミなどの金属
・絶縁体:電気をほとんど通さない。ゴム・ガラス・ビニル・空気など
電線は『導体(銅)を絶縁体(ビニル)で包む』という構造になっています。導体で電気を運び、絶縁体で感電や漏電を防ぐ。両方そろってはじめて安全に電気を使えます。
なお『半導体』はその中間で、条件によって通したり通さなかったりする物質です。
2. 抵抗率と導電率
同じ太さ・長さでも、材料によって抵抗は違います。その材料ごとの『電気の通しにくさ』を表すのが抵抗率ρ(ロー)です。
・抵抗率ρが小さい=電気を通しやすい(銀・銅)
・抵抗率ρが大きい=電気を通しにくい
抵抗率の逆数が『導電率』。導電率が大きいほどよく通します。銅は安くて導電率が高いので、電線の材料に広く使われています。
3. 電線の抵抗の式(最重要)
電線の抵抗は次の式で決まります。ここは毎年のように出ます。
R = ρ × L ÷ A
ρ:抵抗率 L:電線の長さ A:断面積
言葉にすると——
・長いほど抵抗は大きい(L に比例)
・太い(断面積が大きい)ほど抵抗は小さい(A に反比例)
蛇口のホースと同じ。長いホースほど水は出にくく、太いホースほど水はよく出る。電気もまったく同じイメージでつかめます。
4. 直径と断面積の関係(引っかけ注意)
試験で一番ミスが多いのがここ。
電線は丸い断面なので、断面積は
A = π × D² ÷ 4 (D:直径)
ポイントは『直径が2倍になると、断面積は2倍ではなく“4倍”』という点。D が二乗で効くからです。
その結果——
・直径2倍 → 断面積4倍 → 抵抗は 1/4
・直径1/2 → 断面積1/4 → 抵抗は 4倍
『直径の変化は二乗で効く』。これを知らないと必ず引っかかります。
5. 抵抗と温度の関係
金属(導体)は温度が上がると抵抗が大きくなります(正の温度係数)。
電線に電流を流すと発熱し、温度が上がり、抵抗がさらに増える……という関係があります。現場で『使い込んだ機器の電線が熱を持つ』のはこの性質も関係しています。
※半導体は逆で、温度が上がると抵抗が下がる性質があります(参考)。
6. 現場のひとこと
R = ρL/A は、現場の『なぜ太い線・短い線を使うのか』そのものです。
・配線が長い(L大)→ 抵抗が増える → 電圧降下が大きくなる
だから遠い場所へ送るときは、わざと太い電線を選ぶ
・細い線で無理に長く引くと、末端で電圧が落ちて 機器が本来の力を出せない・発熱する
『長さは敵、太さは味方』——この感覚があると、電線選びや電圧降下(第12章)の話がスッと頭に入ります。公式の丸暗記より、ρL/A が現場の判断に直結していると知っておくのが近道です。
POINT
7. ここだけは覚える
・導体=よく通す(銅・銀・アルミ)/絶縁体=通さない(ゴム等)
・電線の抵抗 R = ρL/A(長いほど大、太いほど小)
・断面積 A = πD²/4。直径2倍 → 断面積4倍 → 抵抗1/4
・金属は温度が上がると抵抗が増える
次は確認問題。R=ρL/A の使い方を体に入れましょう。