第3章 合成抵抗の計算
直列と並列が混ざった回路も、解き方の手順は1つだけ。『内側からまとめる』を覚えれば、複雑に見える回路も必ず解けます。
1. なぜ合成抵抗を計算するの?
合成抵抗とは『回路全体をまとめると1個の抵抗で何Ωか』のこと。
なぜこれを出すのか?——回路全体に流れる電流を知るためです。
オームの法則 I = V ÷ R を使うとき、R(合成抵抗)が分からないと電流が計算できません。だから、まず回路をまとめて1個の抵抗に直す。これが合成抵抗の計算です。
2. 解き方の鉄則:内側からまとめる
直列と並列が混ざった回路は、こう解きます。
① まず『並列になっている部分』を見つける
② 並列部分を逆数の和でまとめて1個にする
③ 残った直列部分を足し算する
ポイントは『内側(細かい部分)からまとめて、だんだんシンプルにしていく』こと。一気に解こうとせず、1ステップずつ回路を簡単にしていけば必ず解けます。
3. 例題で手順を体感する
図の回路で考えます。R1=10Ω が直列、R2=30Ω と R3=60Ω が並列につながっています。
STEP2:並列の R2・R3 をまとめる
1/R = 1/30 + 1/60 = 2/60 + 1/60 = 3/60
R23 = 60 ÷ 3 = 20Ω
STEP3:残った直列を足す
R = R1 + R23 = 10 + 20 = 30Ω
答え:合成抵抗は 30Ω。
並列を先に潰す→直列で足す、の順番が鉄則です。
4. よくある引っかけ
試験で間違えやすいポイントを2つ。
❌ 全部いっぺんに足してしまう
10 + 30 + 60 = 100Ω としたら不正解。並列部分を足し算してはいけません。
❌ 並列の答えが元より大きい
並列の合成抵抗は『一番小さい抵抗より必ず小さい』。30Ωと60Ωの並列が20Ωなのは正しい(30より小さい)。もし35Ωなどが出たら計算ミスと気づけます。
5. 現場のひとこと
合成抵抗を現場で電卓を叩いて出す場面は、正直あまりありません。
でも『考え方』は毎日のように使います。
分電盤の1回路には、機器がいくつも並列でぶら下がっています。並列=つなぐほど合成抵抗は下がり、流れる総電流は増える。つまり『この回路、機器を足したら容量オーバーしないか?』を判断する勘が、合成抵抗の考え方そのものです。
数字を解く力ではなく、『つなぐと電流はどっちに動くか』を体で分かっていること——それが現場で効きます。
POINT
6. ここだけは覚える
・合成抵抗=回路を1個の抵抗にまとめた値。電流を出すために必要
・手順:並列を先にまとめる → 直列を足す
・『内側からまとめる』を徹底する
・並列の答えは必ず一番小さい抵抗より小さい(検算に使える)
次は確認問題。手順通りに解けば必ず正解できます。