第7章 交流の基礎
家のコンセントは『交流』。直流との違い、波の形、実効値・周波数という交流ならではの言葉を押さえます。
1. 直流と交流のちがい
電気には2種類あります。
・直流(DC):いつも一定方向に流れる。乾電池やバッテリー。
・交流(AC):流れる向きが周期的に入れ替わる。コンセント。
発電所から家庭に届く電気は交流です。交流は変圧器で電圧を簡単に変えられるので、遠くまで効率よく送電できるのが利点です。
2. 交流の波(正弦波)
交流の電圧・電流は、時間とともになめらかな波(正弦波)を描きます。
・最大値:波のてっぺんの値
・実効値:実際の働きを表す“ならした”値
両者の関係は、
実効値 = 最大値 ÷ √2(約0.707倍)
私たちが普段『100V』『200V』と呼ぶのはすべて実効値です。実は最大値は約141Vあります。
3. 周波数(Hz)
周波数とは『1秒間に波が何回くり返すか』。単位はヘルツ(Hz)です。
日本では地域で分かれています。
・東日本:50Hz
・西日本:60Hz
1秒間に50回または60回、電気の向きが入れ替わっているということ。モーターを使う機器では、この違いが回転数に影響することがあります。
4. ここでつまずく
実効値と最大値、どっちを√2で割るのか掛けるのかで迷子になりがちです。
覚え方はこれだけ——
『普段使う 100V・200V は実効値。最大値はそれより大きい』。
大きいほうが最大値なのだから、
・最大値 = 実効値 × √2(大きくなる=掛ける)
・実効値 = 最大値 ÷ √2(小さくなる=割る)
例:実効値100V → 最大値 100×1.41 ≒ 141V。『141Vは100Vより大きい』と数の大小で確かめれば、掛け算・割り算をどっちにするか一生迷いません。
5. 現場のひとこと
50Hz / 60Hz の地域差は、現場では実害として出ます。
東日本(50Hz)と西日本(60Hz)で、モーター機器の回転数が変わります。周波数指定のある機器を引っ越し先でそのまま使うと、能力不足や過熱・故障の原因に。『この機器、50/60両対応か?』を確認するのはビルメンの基本動作のひとつです。
また、テスターやメガーが示す電圧はすべて実効値。『最大値は約1.41倍ある』と頭の片隅にあると、絶縁や耐圧の話を考えるときの土台になります。
POINT
6. ここだけは覚える
・直流=一定方向、交流=向きが入れ替わる
・コンセントは交流。送電に有利だから
・実効値 = 最大値 ÷ √2。100Vは実効値
・周波数:東日本50Hz/西日本60Hz
次は確認問題です。