1. 第二種電気工事士 技能試験とは?
第二種電気工事士の試験は「学科試験」と「技能試験」の2段階で行われます。学科試験に合格した人だけが、技能試験を受けることができます。
技能試験は、配布された電線・器具・材料を使って、配線図のとおりに実際の電気回路を組み立てる実技試験です。机の上に小さな配電盤を作るイメージで、リングスリーブ圧着・差込形コネクタ・ランプレセプタクルの輪づくり・スイッチ結線などの基本作業を、40分以内に完成させる必要があります。
「未経験で電気工事なんてできるの?」と不安に感じる方は多いですが、技能試験は毎年公表される「候補問題13問」の中から1問だけ出題されます。事前に13問すべてを練習しておけば、本番の問題は「初めて見るもの」ではなく「練習済みの問題」になる――これが技能試験の最大の特徴です。
2. 試験概要:時間・形式・合格率
| 試験時間 | 40分(候補問題13問すべて共通) |
|---|---|
| 出題範囲 | 令和8年度 候補問題 No.1〜No.13 の中から1問 |
| 採点方式 | 欠陥が1つでもあれば不合格(令和3年度〜現行ルール) |
| 合格率 | 例年 65〜75% 程度(学科より高め) |
| 持ち物 | 工具(受験者持参)/受験票/筆記用具 ※電動工具・カッター以外であれば自由 |
| 材料 | 当日支給(電線・器具・リングスリーブ・差込コネクタ等) |
合格率の高さに「楽勝そう」と感じるかもしれませんが、油断は禁物です。技能試験は「欠陥1つで不合格」。寸法を50%以下に縮めた、極性を間違えた、リングスリーブ選定をミスした――どれか1つでも該当すれば、その作品全体が不合格になります。
逆に言えば、欠陥を作らないように練習を積み重ねれば、合格率は実質100%に近づく試験でもあります。
3. 準備:必要な工具と材料
3-1. 指定工具(最低限)
試験センターが指定する「必要な工具」は次の通り。電動工具とカッターは禁止です。
- ペンチ(電線の切断、リングスリーブの先端処理)
- ドライバー(プラス・マイナス)
- 電工ナイフ(VVR・CVVの介在物処理)
- スケール(メジャー)(配線寸法の確認)
- リングスリーブ用圧着工具(柄が黄色のJIS指定品)
- ウォーターポンププライヤー(ロックナットの締め付け)
- 絶縁テープ(指定問題のみ)
3-2. あると合格に近づく推奨工具
- VVF用ケーブルストリッパー(HOZAN P-958など)── 外装と被覆を一気に剥ける。作業時間が10分以上短縮します。技能試験合格者の8割以上が使用
- 合格クリップ── ジョイント部の電線を仮固定。圧着前に電線がバラけずに作業できる
- 合格マルチツール── ランプレセプタクルの輪づくり寸法を計測
3-3. 練習用材料
候補問題13問を実際に組み立てるための練習材料が必要です。VVFケーブル・IV線・ランプレセプタクル・スイッチ・コンセント・リングスリーブ・差込コネクタなど、本番と同じ部材を揃える必要があります。
個別に揃えると材料の取り違えやサイズ違いで時間を浪費します。「候補問題13問×2周分」の練習材料セットをひとまとめで購入するのが、結果的に最も時間とお金の節約になります。
4. 勉強方法:複線図 → 施工 → 2周練習
4-1. 40分の時間配分
| 複線図を書く | 約 5〜10分(理想は5分以内) |
|---|---|
| 施工(実作業) | 約 25〜30分 |
| 見直し | 約 3〜5分 |
この配分を体に染み込ませることが、本番での落ち着きにつながります。
4-2. 複線図を5分以内で書けるようになる
複線図は「単線図(試験問題の配線図)を、実際の電線2本〜3本に展開した図」です。頭の中で完成図を組み立てる地図になるので、ここを最初に書き上げることが必須です。
- 電源からスタート → 接地側(白)を負荷まで引く
- 非接地側(黒)をスイッチまで引く
- スイッチ → 負荷へ「戻り線(赤など)」を引く
- 結線箇所にリングスリーブ or 差込コネクタを記入
- 各電線の長さを書き込む
候補問題13問を毎日3問ずつ複線図を書く練習をすれば、1週間で全パターンが頭に入ります。
4-3. 2周練習法
候補問題13問を、最低でも2周練習することを推奨します。
- 1周目:時間を気にせず、丁寧に作る。間違えたら戻ってやり直す。手順を体に覚えさせる
- 2周目:本番想定で40分タイマー。完成までのフローを体に刻む
1周目だけで終わると、本番で時間切れになる確率が一気に上がります。2周目こそが「合格に必要な仕上げ」です。
5. 候補問題13問のパターン分類
令和8年度の候補問題13問は、次のパターンに分類できます。同じパターンの問題は施工手順が似ているので、まとめて練習すると効率的です。
| パターン | 候補No. | 練習のポイント |
|---|---|---|
| 単相2線100V(基本系) | No.1, 2, 3, 6, 7, 9, 10, 11, 12, 13 | 最も多い基本パターン。ランプレセプタクルの輪づくりと結線が中心 |
| 三相3線200V混在 | No.4 | モーター・電源表示灯あり。VVF 2.0-3Cの色別が重要 |
| 単相100V+200V混在 | No.5 | 20A 250Vコンセント(引っかけ型)。極性とBE結線注意 |
| 3路・4路スイッチ系 | No.6, 7 | 3路(2か所)と4路(3か所)の点滅回路。複線図が複雑 |
| パイロットランプ | No.2(常時点灯), No.10(同時点滅) | 常時点灯は電源と並列/同時点滅はスイッチと並列。違いを必ず覚える |
| 金属管工事 | No.11 | ねじなしボックスコネクタの止めねじをねじ切るのが必須 |
| PF管工事 | No.12 | 合成樹脂可とう電線管。コネクタ接続部に隙間NG |
| 端子台代用 | No.13 | 露出寸法5mm基準を厳守 |
練習の順序は「基本系(No.1, 2, 3)→ 3路・4路(No.6, 7)→ パイロット(No.10)→ 三相・200V(No.4, 5)→ 金属管・PF管(No.11, 12)→ 端子台(No.13)」が習熟しやすい流れです。
6. 施工の基本作業 4選
候補問題13問のすべてに登場する「絶対に避けて通れない基本作業」が4つあります。これを完璧にすれば、技能試験の8割を制したと言えます。
6-1. リングスリーブの圧着
- スリーブ選定:1.6×2本=小(○刻印)/1.6×3本以上 または 2.0混在=小・中・大
- 心線の処理:先端を揃え → リングスリーブに挿入 → 上端から1〜2mm飛び出した状態で圧着
- 圧着後:飛び出した部分をペンチで切断(切りすぎ注意:上端から心線5mm以上露出は欠陥)
- 絶縁被覆との距離:リングスリーブ下端から心線が10mm以上露出していれば欠陥
6-2. 差込形コネクタの接続
- 皮むき長さ:コネクタ本体の長さに合わせる(一般的に12mm前後)
- 挿入後の目視確認:
- 先端側を真横から見て心線が見える(透明窓)← 見えなければ欠陥
- 下端側を真横から見て心線が見えない ← 見えれば欠陥
6-3. ランプレセプタクル等の輪づくり
- 心線露出:約20mm(端子のねじ径に合わせて調整)
- 輪の作り方:心線を右回りに曲げる → ねじに対して3/4周以上巻き付ける
- ケーブル外装:必ず台座の引込口を通す。外装は台座の中に入れる
- 仕上がりチェック:ねじの端から心線が5mm以上はみ出していないか、左巻きになっていないか、絶縁被覆を締め付けていないか
6-4. 電線のストリップ(被覆剥ぎ)
- 外装縦われ:20mm以上で欠陥
- 絶縁被覆:折り曲げて心線が露出すれば欠陥
- 心線傷:折り曲げて折れる程度の傷で欠陥
- より線:素線を1本でも減らせば欠陥
ストリッパーを使うと外装と被覆を一度に剥けるので、作業時間が短く、傷も少なくなります。電工ナイフはVVR・CVVの介在物処理時のみ使用するのが現実的です。
7. よくあるミスと回避法
技能試験で頻発する「やりがちなミス」と、その回避法をまとめました。公式 欠陥判断基準と合わせて確認してください。
| ミス | 回避法 |
|---|---|
| 寸法が50%以下になり欠陥 | 複線図の段階で各電線長を書き込み、施工中に何度もスケールで確認 |
| 白と黒の取り違え(極性違反) | ランプレセプタクル「W=白」、コンセント「W側=白」を口に出して確認 |
| リングスリーブの選定ミス | 圧着前に必ず本数と太さを目視。1.6×2本=小、1.6×4本=中をパターン暗記 |
| ねじなしボックスコネクタの止めねじ未切断(No.11) | 「止めねじを切る」を施工チェックリストの最後に必ず入れる |
| 取付枠を裏返しに使用 | 取付枠の「表」(凹凸が浅い側)を必ず確認してから器具を取り付け |
| パイロットランプの常時点灯/同時点滅の混同 | 常時点灯=電源と並列、同時点滅=スイッチと並列。図で覚える |
| 絶縁被覆の上から圧着 | 必ず被覆を剥いてから挿入。心線の先端が上から見えることを確認 |
| 器具の破損(カバー割れ) | ねじの締めすぎ注意。指で締めて最後にドライバーで軽く増し締め |
8. 試験当日の流れ
- 会場到着(試験開始30分前):受験票・身分証・工具を再確認。机の上が狭いので、工具は配置を決めておく
- 材料配布・確認時間:支給された材料が問題と一致するか目視。不足や破損があればこの時間内に申し出(試験開始後は対応不可)
- 試験開始(40分):単線図を読み取り → 複線図を書く → 施工 → 見直し
- 試験終了:作品を机の中央に。退室時に工具・支給品の確認
当日のメンタル管理で大事なのは「完成優先」の意識です。途中で欠陥に気づいても、時間内に完成できなければそれ自体が欠陥(未完成)となります。練習段階から「欠陥1つも作らず、40分以内に完成」を体に刻みましょう。
9. よくある質問(Q&A)
Q. カッターは使えないの?
A. 試験では使用禁止です。安全上の理由で電動工具と並び持ち込み不可。電線の被覆剥ぎは電工ナイフかケーブルストリッパーで行います。
Q. 工具を忘れたら?
A. 試験会場では貸出はありません。最低限の指定工具(ペンチ・ドライバー・電工ナイフ・スケール・圧着工具・ウォーターポンププライヤー)は前日に必ずチェック。
Q. 練習用材料は何回分必要?
A. 候補問題13問×2周分が理想です。1周目で手順を覚え、2周目で時間配分の感覚を掴みます。予算が厳しければ最低1周分でも可。
Q. 学科は通ったけど技能で何回も落ちる…
A. ほぼ確実に「欠陥のチェック不足」が原因です。公式 欠陥判断基準を毎日読み、自分の練習作品を1項目ずつチェックしてください。
Q. 試験まで残り1ヶ月、間に合いますか?
A. 間に合います。1日3問のペースで進めれば、13問×2周分(26問)を約9日で完了します。残りの3週間で苦手問題の3周目に取り組めます。
Q. 試験中にミスに気づいたら?
A. 残り時間と相談です。10分以上残っていれば修正、それ未満なら「完成優先」で続行。未完成より、欠陥1個のほうが合格に近いケースもあります(不合格は同じですが、見直し時間を奪われるリスクのほうが大きい)。
10. まとめ:合格までの最短ルート
- 令和8年度 候補問題13問の配線図をすべて見て、頭にイメージを入れる(30分)
- 複線図の書き方を1問ずつ練習(毎日3問×5日)
- 練習用材料セットを使って実際に施工(毎日1〜2問×2週間)
- 13問×2周完了したら、苦手な問題を3周目で潰す
- 本番1週間前から「40分タイマー+欠陥チェック」で総仕上げ
この流れで進めれば、未経験からでも合格まで到達できます。大事なのは「手を動かして覚える」こと。複線図を頭の中で描けるようになっても、実際に電線を曲げてリングスリーブを圧着するときに迷っていては、40分は足りません。
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